新編・伊勢物語 第千六十六段 新しきノオト 星原二郎第千六十六段 新しきノオト 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年の正月の二日 文房具店へと行き、この年用の短歌専用のノオトを 買ひ求め歌を 新しき ノオト購ひ 何ならず この正月の 愉しかりけり と詠み 真新く何の記入もなきノオトに 如何なる内容の短歌作品が 書き込まゆくのか?を想像し 独り悦に入り文房具店を出でにけり。