新編・伊勢物語 第千六十五段 亡き兄の古稀の祝ひの酒 星原二郎第千六十五段 亡き兄の古稀の祝ひの酒 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年の正月 その男、四十の齢の折に 四十二歳にて急死の兄を思ひて 歌を 命あらば 古稀を迎ふる 兄にして 祝ひの美酒(うまざけ) 交さむものを と詠み 仏壇の一月一日が誕生日の 兄へと一献 捧げけり。