新編・伊勢物語 第千五十九段 東条湖の露天風呂 星原二郎 第千五十九段 東条湖の露天風呂 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の初冬 因幡の国は湯梨浜の はわい温泉へと行きけり。 行きて歌を 東条湖の 湖の上の 露天風呂 水鳥となり 湯の面(も)ただよふ と詠み 「望湖楼」の湖上の露天風呂 世にも珍しき構造にて 折からの冬の渡り鳥 あまた漂ふに 同化せし感覚を覚えけり。