新編・伊勢物語 第千三十二段 清津峡 星原二郎第千三十二段 清津峡 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年十一月の中旬 越後の国は十日町にある日本三大峡谷の一つ 清津峡へと行きけり。 名物の清津峡トンネルを通りぬけて 歌を 清津峡 柱状節理 断崖絶壁にして 国の天然記念物 嗚呼絶景なり と詠み、多くの来訪者と同じく記念写真を撮り 多くの来訪者と違(たが)のは長き時の間 眺め続けたる事なり。 歌の姿、漢詩調にして 大幅なる字余り、目に余るは推敲不足とぞ覚ゆれども 此の作はこれにて佳しと開き直りけり。