第千三十一段 峠の釜飯
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十年十一月二十二日の
立春知立短歌会の秋の恒例行事の文化祭歌会に
題詠「駅」にて次の作
駅弁の 峠の釜飯 懐かしみ
行きたかしよ 秋深までば
を事前に提出し臨みけり。
而して歌会での評価は
参加者十二名中の二名に得点は留まり
芳しからざる結果なり。
されども歌の心
若き日に彼女と汽車の中にて
食せし駅弁の峠の釜飯
思ひ出は今も鮮やかなり。
※峠の釜飯は益子焼の土釜に入った駅弁にして
群馬県安中市にある荻野屋が製造し
信越本線の横川駅にて販売せしものなり。