新編・伊勢物語 第千二十七段 彷徨ひ続けける魂の群れ 星原二郎第千二十七段 彷徨ひ続けける魂の群れ 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年度の刈谷市市民文化祭の 短歌大会に次の歌にて応募し 大会に臨みけり。 生と死の 境を渡り 往き来する 魂の群れ 七十有余年 歌の心は戦中、多くの無慚の死をとげたる 軍人のみならず、銃後の婦女子らの 今なほ彷徨ひ続けてゐるであらう魂の鎮魂と慰霊を 願ひての祈りの作なり。 しかして平成三十年十一月十一日の 短歌大会での結果は入賞を逃し 悔しき思ひに会場を去りけり。