第千二十二段 咽喉の炎症
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十年の秋も深まるころ
持病の一つである扁桃腺の炎症を起こし
かかりつけ医の耳鼻咽喉科へと行き
治療を受け
歌を
わが飲ん門 時折起こす 炎症に
付き合ひすでに 半世紀越ゆ
と詠み 治療を受く度毎に
医師より「立派な咽喉ですなあ」と言はれ
カラオケ仲間より「いい声です」と褒められる
咽喉なれば定期的に起こす炎症なれども
死ぬまで付き合ふ覚悟を決めけり。
※飲ん門とは、物を飲み込む門の意にして咽喉の古語なり。