新編・伊勢物語 第千十五段 安城産の麦のうどん 星原二郎第千十五段 安城産の麦のうどん 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、或る日 安城のうどん屋 「丸長」へと行きけり。 行きてうどんを食し その粉に対しての店主の考へを知り 歌を 安城産 麦にて作る うどんにて 地産地消の こだはりぞよし と詠み 美味なるうどんに舌鼓を打ち 大いに誉め、その男の最上の誉め言葉である 「また来む」と言ひて店を出でけり。