第千九段 大荒れの日本海の波
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十六年の十月の半ば
みちのくは秋田へと行きけり。
八郎潟近く宿を取りゐしがたまたま
台風十九号の接近に遭ひけり。
暴風雨警報発令にて計画の変更を
余儀なくされ立ち止まりけり。
しかる後、大荒れの日本海を見むと
願ひ男鹿半島は入道崎を目指し行きけり。
万葉の大伴家持卿の作の
「馬並めて いざ打ち行かな 渋谿の
清き磯廻に 寄する波見に」を本歌として
車走らせ いざ打ち行かな 日本海の
荒き磯廻に 寄する波見に
と、詠みけり。
幸ひにして、高波に攫はれる事無く
暴風雨警報解除されけれど
無謀とも思へる行動とぞ覚ゆ。