新編・伊勢物語 第九百八十八段 連作・釈迦十大弟子の阿那律の柵 星原二郎 第九百八十八段 連作・釈迦十大弟子の阿那律の柵 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年九月十五日発行の 立春短歌会の季刊誌「立春264号」に 『釈迦十大弟子』を発表し 評価を世に問ひけり。 第七首目は阿那(あな)律(りつ)の柵にて 虚(うつ)ろなる 両の眼(まなこ)と なりたれど まことを見抜く 心眼を持つ(阿那(あな)律(りつ)の柵) 阿那律は釈迦の説法聴聞の座において 居眠りをしたことを恥じ、以後 眠らぬ事を誓ひ そのためほどなく両眼からは光を失ひたれど 永遠の真理を悟り得たる者なり。