第九百七十八段 歌集『うたごよみ八年』の上梓を祝ひて
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十年九月十三日の
立春知立短歌会の月例歌会に
次の作
今は亡き 夫君もさぞ 喜びて
見そなはしゐむ 『うたごよみ八年』
を事前に提出し臨みけり。
『うたごよみ八年』は立春知立短歌会の仲間である
岩月八重子氏がこの八月に上梓したる
第一歌集の書名なり。
岩月八重子氏はこの年、最愛の夫君である
岩月十三男氏と死別してをり
天上より「なによりの供養」と
見そなはしゐ(見てくださるの謙譲語)であらう
との思ひから詠みたる作なり。
しかして歌会での評価は
岩月八重子氏以外の共感を得ること
能はず低き得点に留まりけり。