新編・伊勢物語 第九百六十七段 湯ヶ島の温泉旅館 星原二郎第九百六十七段 湯ヶ島の温泉旅館 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の晩夏 惚れたる女ありければ 伴ひて 伊豆の国は湯ヶ島のある温泉旅館の 白壁荘へと行きけり。 巨石風呂・巨木風呂・貸し切り風呂等の 無色透明にして肌に優しき 温泉を堪能しその翌朝 歌を 足らひたる 眠りの後の 朝床に 君がすがしき 声聞く湯宿 と詠み チェックアウトまでの時間を寛ぎ 狩野川の渓流を聞き過ごしけり。