新編・伊勢物語 第九百六十八段 下田河内の金谷旅館 星原二郎第九百六十八段 下田河内の金谷旅館 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の晩夏 惚れたる女ありければ 伴ひて 伊豆の国は下田市河内のある温泉旅館の 金谷旅館へと行きけり。 行きて歌を 伊豆の国 下田河内の 金谷旅館 千人風呂は 優しく真澄 と詠み 源泉掛け流しの名湯を二人して 心ゆくまで楽しみ また百年前の伊豆の匠の手による 名建築の建物をも楽しみけり。