新編・伊勢物語 第九百六十五段 癖のひとつ 星原二郎第九百六十五段 癖のひとつ 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の夏 無くて七癖と世に伝はる癖の一つに関して 歌を 掌(てのひら)に 覚えの数字 メモなどを 書く癖いつか われは持ちをり と詠み 走り書きなれば 後になり判読しがたく 困りたる事 幾度なれども なかなかにその癖 直らざりけり。