新編・伊勢物語 第九百六十一段 わが生、深まる 星原二郎第九百六十一段 わが生、深まる 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、兄、母、父を続けて鬼籍へと送りければ 歌を 幾たびの 死といふ別れ 重ねては わが生(よ)深まる 思ひこそすれ と 詠み 「さよならだけが人生…」といひしは 誰ぞ と思ひけり。