新編・伊勢物語 第九百六十段 雪柳 星原二郎第九百六十段 雪柳 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、豊田市は藤岡の里へ行きけり。 その里にある公園の雪柳、見事なれば 歌を 雪柳の 白き花々 野の径の 両側に群れ 何処まで続くや 雪柳 今を盛りと 咲く小径 二人歩めば 若き日思ほゆ ましろなる 花の盛りの 雪柳 母に見せばやと 思はるるかな と 詠みて 母の亡きことを嘆きけり。