新編・伊勢物語 第九百五十六段 スクランブルの交差点 星原二郎第九百五十六段 スクランブルの交差点 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年八月 知立駅前のスクランブルの交差点にて 人の流れを見やりて 歌を 一勢に 信号変はりて 渡りゆく 人の群れ見ゆ かつてわれもや と詠み かって堅気の会社に勤務せし頃を 懐かしく思ひ出しけり。