新編・伊勢物語 第九百五十三段 いわさきちひろ美術館 星原二郎第九百五十三段 いわさきちひろ美術館 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年八月 安曇野市の「いわさきちひろ美術館」へと 行きけり。 行きて歌を 安曇野の 夏空に浮く 白き雲 いわさきちひろが 描きしならむ と詠み どこまでも続く信州の夏の青空を 背景にそれぞれの形 いと面白き 雲を眺め 才能豊かなるいわさきちひろ 天界にて青空をキャンパスに 描き続けゐむと信じけり。