新編・伊勢物語 第八百九十九段 釈迦と女の物語 第三話 わが子の死を嘆く女 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第八百九十九段 釈迦と女の物語 第三話 わが子の死を嘆く女

 

昔、男ありけり。今も男あり。

その男、平成三十年六月十五日発行の

立春知立短歌会の季刊歌誌『立春第262号』に

譚歌 釈迦と女の物語』と題し

三題の歌物語を発表し

評価を世に問ひけり。

第三話は【わが子の死を嘆く女=パターチャーラー】

 

死にたる子を 生き返らせよ 嘆く母

釈迦は静かに 叶へむといふ

 

その望み 叶へる為には 少しばかり

胡麻を用意 せよとのたまふ

 

ただしその胡 麻は村より 死者のなき

家の物に限ると 付け加へいふ

 

その女 村の家々 駈け巡り

死者なき家の 胡麻をさがしぬ

 

家々を 廻りその胡麻 求むれど

死者無き家の あらぬに気付く

 

どの家にも 死者なき家は あらずして

わが子の死を 受け入れ悟る

 

釈迦は多くの説法の折に「譬へ話」を

用いて一般大衆に説きとるとのこと頷きにけり。