新編・伊勢物語 第八百八十一段 天の御柱(後半)星原二郎第八百八十一段 天の御柱(後半) 磯伝ひ 上立神岩に たどりつき 息ととのへて 拝(をろ)がむ吾は したたりて 成りましし岩か 葦(あし)芽(かび)と 土もちあげて 成りまししとも 潮騒を 聴くは飽かずも いにしへゆ 今に変らぬ 潮の満ち引き と、詠み 太き蝋燭の如き上立神岩を眺め続けけり。