新編・伊勢物語 第八百七十三段 李登輝 星原二郎第八百七十三段 李登輝 昔、男ありけり。 今も男あり。 その男、台湾に行きて、まづ思ひ浮かぶ男は李登輝なり。 元中華民国総統にして、日本に留学・学徒出陣の経緯を持つ 親日家なり。会ふことは叶はねど歌を この島に 則天去私の 政治家の 李登輝ありて 民主化遂げたり と 詠み敬意を表しけり。 ちなみに「則天去私」とは夏目漱石晩年に理想の境地を 表した言葉として知られけり。その意、「天の意に従ひ 個人の私利私欲を離れる」くらいであろうか。