新編・伊勢物語 第八百五十一段 臥龍桜 星原二郎第八百五十一段 臥龍桜 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の春 飛騨の国は高山市の南にある 臥龍桜に目(ま)見(み)えぬと 惚れたる女人あらば、伴ひ行きけり。 臥龍桜は名の如く龍が身を伏せたるが如き樹姿にて 名桜なり。 まさに見頃にて、歌を 千歳(ちとせ)ふる 臥龍桜は わがいのち 見よとて花を 枝に満たしぬ と 詠み 名桜の見事の花に酔ひけり。