新編・伊勢物語 第八百五十段 蒲田川沿ひの露天風呂 星原二郎第八百五十段 蒲田川沿ひの露天風呂 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年四月 奥飛騨温泉郷の一つである 新穂高温泉の「槍見の湯 槍見館」へと 惚れたる女人あらば、伴ひ行きけり。 行きて歌を 雪解けを 集めて滾る 蒲田川 水際(みぎは)近くの 岩の露天湯 と詠み 愛しき女人との湯浴みを 心ゆくまで楽しみけり。 なほ此の歌の上の句、芭蕉翁の名句のひとつ 「五月雨を集めて早し最上川」の 本歌取りなり。