新編・伊勢物語 第八百四十八段 囲炉裏火を囲みて 星原二郎第八百四十八段 囲炉裏火を囲みて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年四月 奥飛騨温泉郷の一つである 新平湯温泉の「百姓座敷の宿 藤屋」へと 惚れたる女人あらば、伴ひ行きけり。 行きてその宿の名物である囲炉裏端にて 夕餐の折に歌を 囲炉裏火を 囲みて地酒 酌み交はす 愛(いと)しき女人(ひと)と 飛騨の湯の宿 と詠み 飛騨の美酒(うまざけ)「白真弓」に したたか酔ひけり。