第八百四十三段 太地にて古代捕鯨の様子を思ひつつ飲む酒
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十年の春、紀伊の国は太地町の
「くじらの博物館」へと行き
古代捕鯨の歴史を学び
国民宿舎「白鯨」に宿を取り
くじら料理をコースにて
いただき歌を
勇魚取り 「太平洋」とふ 地の酒を
飲みつつ思ふ 古代捕鯨の様
と詠みけり。
因みに勇魚とは、鯨の古名にて
勇魚取りとは、「海」「浜」「灘」に掛かる
枕言葉なり。
しかして、当地の地酒の銘柄である「太平洋」を
飲みたるは自由なれども、其の枕言葉に用ゐるは
いささか難あり とぞ覚えけり。