新編・伊勢物語 第八百四十二段 古座川の一枚岩 星原二郎第八百四十二段 古座川の一枚岩 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の春、紀伊の国は古座川町にある 一枚岩へと行きけり。 行きて歌を 清流の 古座川沿ひに 聳え立つ 一枚岩や 写真に納まらぬ と詠み 徳川御三家の一つ 紀州徳川家の或る殿の命名に頷きけり。