新編・伊勢物語 第八百四十一段 橋杭岩の伝説 星原二郎第八百四十一段 橋杭岩の伝説 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の春、紀伊の国は串本にある 国の天然記念物の橋杭岩へと行きけり。 行きて歌を 空海と 天の邪鬼との 伝説の 橋杭岩や 荒々しもよ と詠み 数多の散乱したる巨石群は 空海との勝負に負けたる天の邪鬼の仕業にあらず この地方を幾度と襲ひたる大津波の為せる業と知り げに恐ろしきは津波と覚えけり。