第八百三十八段 金子兜太大人への挽歌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十年二月二十日に
九十八歳にて逝去せし俳人の金子兜太大人を
悼み挽歌を
兜太逝く 「定住漂泊」の 著書遺し
われもまた 此の地に棲みて さまよふ者ぞ
と詠み 骨太の偉丈夫の死を惜しみけり。
なほ「定住漂泊」は金子兜太大人の昭和四十七年
発行にして、卒業論文の資料とて読みてより
私淑せし俳人なり。
「定住漂泊」とは
其の地を離れず棲み続けつつ
心は此処に在らずの状態をいふ
彼の創作四字熟語なり。
なほ、此の歌の調べ 五・九・五・五・七・七と
三句目の五音が二度あり
破調といふより推敲不足甚だしき作なれど
思ふに任せず、お手上げなれば
賢明なる読者諸兄に添削・斧正を
おん願ひ奉る。
二句目の九音は固有名称なれば許されるべし。