新編・伊勢物語 第八百三十六段 平成独楽吟 星原二郎第八百三十六段 平成独楽吟 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年三月十一日 越前の国は福井の幕末に生きて 「楽しみは~時」の形にて詠まれたる五十二首の 「独楽吟」を遺したる橘曙覧にちなみ 毎年 「平成独楽吟」の公募を重ね 第二十三回目の今年 楽しみは 蕎麦の名店 尋ね当て 自慢の品を たのみ待つ時 の歌を事前に提出し入選通知を待ちけり。 しかれども、表彰式の当日を迎え 終に来たらねば福井へと行くのを見合はせけり。