新編・伊勢物語 第八百三十段 いなべ市の梅まつり 星原二郎 第八百三十段 いなべ市の梅まつり 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の早春 伊勢の国はいなべ市にある 農業公園の梅まつりへ行きけり。 行きて歌を 藤原岳 雪なほさはに 残れど 里べは梅の いま咲かむとす 人はみな カメラに収む 梅の花 歌詠みわれは 歌いざ詠まな と詠み 桜は散りゆく様が最上なれど 梅は一輪、二輪と咲き初めたる頃を めでるべしとぞ頷きけり。