新編・伊勢物語 第八百二十五段 吉良吟行 華蔵寺 星原二郎第八百二十五段 吉良吟行 華蔵寺 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年三月八日発行の 短歌誌「立春262号」に連作『吉良吟行』を 発表し世に問ひけり。 連作の五首目は吉良公の菩提寺の華蔵寺にて 吉良に来て 「名君吉良」と 知りにけり 悪役なるは 芝居の話 と詠みけり。 芝居の仮名手本忠臣蔵にては 敵役(かたきやく)なれども地元の吉良では 平成の現代なれども、なほ名君と誉れ高く慕はれ 毎年、命日には供養を続けゐるなり。