新編・伊勢物語 第六百九十三段 旅ゆくは 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第六百九十三段 旅ゆくは

 

昔、男ありけり。今も男あり。

その男、旅を好む男なり。

して、普段は独り暮らしなり。

朝ごと、仏壇に回向するが習慣なり。

困りたるは旅の折に回向が出来ぬ事なり。

しかして、或る日 思ひたちたるは

御先祖様のみ魂を率て旅ゆくことなり。

本尊の釈迦牟尼には留守役を依頼し

一族郎党の霊魂を引き連れて旅へと出でけり。

その折に、歌を

 

 旅ゆくは 独りにあらず み祖らの

   み魂ぞろぞろ 引き連れてゆく

 

と 詠み 個性豊かななるご先祖の団体を

引率して行く大変さを知りけり。