第七百二十六段 四字熟語の硫黄温泉の歌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年十二月十四日
短歌誌「立春261号」に連作『四字熟語』を
発表し世に問ひけり。
連作の肆首目は
火薬より 平和利用が よかりける
硫黄のいで湯 湯の花ただよふ
元素記号・原子番号・原子量
などは知らねど 硫黄のいで湯
一首目はかって硫黄が鉄砲の火薬として
利用されし過去を思ひての作なり。
※硫黄の元素記号はS。原子番号は16.
原子量は32.07なり。
されども物理の科学者に有らざれば
関心はいささかも無かりけり。
而して硫黄温泉では奥飛騨温泉郷にある
中崎山荘の湯がその男の最も好む硫黄泉なり。
入浴剤メーカーのツムラがモデルにも選びたる名湯にて
井上靖の小説『氷壁』、また新田次郎の
小説の舞台にもなりたる処なり。