第七百二十段 ご隠居との称号を給はりての歌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年十二月中旬
竹馬の友の家へと久し振りに行きけり。
友の奥方に挨拶を申し上げると
その男に対して呼び掛けに
感興を覚え歌を
ご隠居と 呼ばるる称号 給はれば
水戸公倣ひ 諸国漫遊を続けむ
助さんと 格さん居らぬが ままにして
歌枕温泉 蕎麦の行脚す
と詠みけり。
その男の肩書き従来よりの
退職者、年金生活者、肢体障害者
歌人、詩人、著述家、好々爺
温泉ソムリエ、蕎麦鑑定士、呑兵衛、今縄文人
旅行家、映画通、スポーツ鑑賞家、音楽鑑賞家
相撲通、自然観察官、世相鑑定家、数奇者、悪筆書家
そして此の今業平、ブロガーに加へ、ご隠居とは
愉快なる事 此の上無きとぞ覚ゆ。
されどもそれらの肩書きはすべて自称にて
定かなること詳らかに非ず。