第七百十九段 幼神の賦(後編)
将来は 平凡で地味で それでいて
貴きことを 仕事とすべし
祖父われに 似ると人いふ 実咲季にて
如何なる人生 歩みゆくにや
人の世の 悲しみ知る日 来るならむ
成長とふは ゆつくりであれ
早稲晩稲 それぞれなれど それぞれに
育ちゆく見ゆ 孫またしかり
いろは歌 孫に教へつ 新しき
四十七文字の 歌は難し
と詠み その男もまた孫らの前にては
単なる好々爺とぞ覚ゆ。
孫と云ふ言葉の語源
美し子➡うまご➡まご にして
実子より美し(可愛い)が孫なるを肯ひけり。