第七百四段 死語にあらず(後編)
役割は 声なき声を 代弁し
人の心に とどく歌あれ
むらぎもの 心を古代に 遊ばせて
何ぞ愉しき 老いの秋の日
浪漫派は 滅びゆくらむ よしゑやし
枉げて歌はず 媚びて残らず
言霊の 幸はふ国ぞ 日の本は
言葉乱れねば 栄え続かむ
言霊の 幸はふ国ぞ 日の本は
言葉乱さば 滅ぶほかなし
目に余り 鼻に付く歌 多ければ
足が向かざる ○○歌会
と詠みけり。
その男の歌に対する思ひの熱さ
大和言葉に対するこだはりの深さ
尋常ならざると覚ゆ。
※六首目の結句の「○○歌会」は
公表を憚るための伏せ字なり。