第七百段 シマフクロフの歌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年十一月十八日の
上州はみなかみ町の
「若山牧水みなかみ紀行短歌大会に
題詠「川」の部に作品
アイヌ語の モリシベツ川 水清く
シマフクロフよ 生きながらへよ
を事前に提出し大会に臨みけり。
モリシベツ川は北海道の東北部の河川。
シマフクロフは絶滅危惧指定の北海道に
今や百数十羽のみ生息の大型の梟。
絶滅の危機に追い遣りたるはやはり人間にて
罪滅ぼしと保護活動の「シマフクロフ・エイド」に
幾ばくかの資金援助を続けけり。
しかして短歌大会でのこの作品の結果は
当地の利根川の上流域を
詠みたる作にあらず、入選を逃しけり。
題材の選択にそもそも問題ありと覚ゆ。