第六百九十九段 「植松聖への手紙」の歌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年十一月十八日の
上州はみなかみ町の
「若山牧水みなかみ紀行短歌大会」に
自由題の部に作品
書き上げて 「植松聖への手紙」
障害者われは 生きたかりけり
を事前に提出し臨みけり。
植松聖は平成二十八年七月二十六日
相模原市緑区の「津久井やまゆり園」にて
死者十九名、重軽傷者二十六名に及ぶ
殺人事件を起こしたる犯人なり。
手紙の内容は彼の反省と改心と
第二の事件の防止を願ふものにして
彼の許へと届けたる事を詠みたる作なり。
その男、返信を待ちしかど
植松聖より届きたるとの噂を聞かざり。
而して短歌大会での成績は
佳作入選し連敗記録をやうやう止めけり。