第六百五十七段 越中の温泉にて十六夜の月見の歌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年十月五日の宵
越中は高岡市の天然温泉【凧】へと行きけり。
たまたまなれど其の日、十六夜なれば
露天風呂より、月を望み
歌を
【凧】といふ 天然温泉より 仰ぎ見る
十六夜の月 清けかりけり
と詠み 越中の国にて見やる月も
風流なりと覚えけり。
因みに其の温泉を何ゆゑ、珍らしき【凧】といふ名なりや?
と主に問ひしところ、「凧揚げを好める故に」とぞ。
いと面白き主なり。