新編・伊勢物語 第六百五十六段 山形の芋煮 星原二郎第六百五十六段 山形の芋煮 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年の中秋の名月の候を迎へ かって訪ねし出羽の国 山形の庄にて、食せし 芋煮を思ひ出(い)でて、歌を 山形の 芋煮うましと 思ひ出づ 今宵名月 自ら作る と、詠み 大鍋にて行ふ 日本一の山形の 芋煮会へ行きたしと思ひつつ ひとり、舌鼓を打ち 腹鼓撃壌、善しと肯ひけり。