新編・伊勢物語 第六百四十八段 弥勒への道(其の弐) 星原二郎第六百四十八段 弥勒への道(其の弐) 仏足石 拝(をろが)みまつる いにしへの 衆生の希(ねが)ひ もらさずに聞く 大願の 抜苦与楽を 衆生へと 上生下生の 区別は持たじ 数知らぬ 無縁仏の みたまをも 慰めむとて 唱ふる真言 恒河沙(ごうがしゃ)の いのちの海を ただよひて 迷ひはもたじ ひとりい向かふ 弓手なる 掌(たなそこ)しかと 握りゆく 如意宝珠はも 三つなき二つ