第六百三十八段 美しき高安、つひに大関
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年九月十四日の知立市文化協会所属の
短歌グループ【立春】の定例歌会に
筋肉と 脂肪の鎧 身に纏ひ
美しき高安 つひに大関
にて高得点を狙ひけり。
因みに【美しき】とは、立派なとか、見事なとか
よいとか、好ましきとかの古語にして
時代が下り女言葉の【お】が付き
料理を誉める時の定番の【おいしい】の
原形の言葉なり。
さて、評価はといへば、歌にも旬があり
大関昇進直後の五月場所後であれば
共感を多くいただけたのではと思ひしかど
推敲に手間取りたるゆゑに
発表の時期を逃しけりと悔しがりけり。
まして、此の秋場所は怪我による途中休場
残念なる事、この上なきと覚ゆ。