第六百三十四段 筑紫うるはし(其の壱)
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年の秋
知立市文化協会所属の短歌グループ【立春】の
季刊短歌誌の第260号に
『筑紫うるはし』二十一首を発表し載せけり。
載せたる連作は
ゐのししの 脇目もふらず 筑紫へと
高速道路 ひとりい向かふ
耶馬渓の 紅葉の季に はやく来て
禅海和尚の 鑿痕著し
道ありて 人の往き来も 易々と
青の洞門 今し入りゆく
一念は 三十年を 費やして
つひには成りぬ 青の洞門