新編・伊勢物語 第六百三十一段 サッカー観戦 星原二郎第六百三十一段 サッカー観戦 昔、男ありけり。 今も男あり。 その男、二種三級の「脊髄性小児麻痺」の身体障害者なり。 スポーツをおこなふことは苦手なれども、観戦を好めり。 平成二十九年八月三十一日の ワールドカップのロシア大会のアジア最終予選の 対豪州戦の試合を夢中になりて見つつ その興奮を歌に 障害の わが足なれど サッカーの テレビ画面に 向ひ蹴りをり と詠み、上品ならざるサポーターと自らを思ひけり。