第六百二十八段 忘れ得ぬ味・蕎麦編(其の壱)
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年
知立市文化協会所属の短歌グループ【立春】の
季刊短歌誌に『忘れ得ぬ味・蕎麦編』十五首を
載せけり。
載せたる連作は
信州の 山形村の 唐沢の
蕎麦「山法師」の 薄焼き絶品
蕎麦の粉の 薄焼きピザに 似てゐたり
味噌が具と載り 焦げ香ばしく
蕎麦前に いただく酒の お銚子の
小振り好もし 信濃の老舗
混み合ひて 待たされしかど 待たさるる
甲斐ある蕎麦ぞ 「桔香草」は (一宮市)
鰊とは 斯くも美味とは 知らざりき
大垣蕎麦の 「酒井亭」はも