新編・伊勢物語 第六百二十七段 忘れ得ぬ味(其の漆) 星原二郎第六百二十七段 忘れ得ぬ味(其の漆) 豆腐屋の 看板にして 意気込みの 「一丁入魂」 買はざらめやも 開店の 「俺の夢」とふ ラーメン屋 夢は叶ふや 暖簾をくぐる 血圧は 気にはならねど 控へなむ 箱館特産 烏賊の塩辛 葡萄こそ 天地(あめつち)よりの 賜物と 仏(ふ)蘭(らん)西(す)人(びと)は いひて酒醸(か)む 歌集に載せしは以上なれど お読みいただき 同じものを食べに行きたくなりたる ものありや?