新編・伊勢物語 第六百十六段 若狭小浜(後半) 星原二郎第六百十六段 若狭小浜(後半) わたつみの ただ中ただよふ 鴎どり 船ゆく吾は 揺られつつ見ゆ 五百(いほ)年を 生きながらへし かやの木よ その実ひとつを 吾にたまはな 岩走る 瓜割清水 飲み足りて 汗あえて来し 甲斐はありけり と 詠み 去り行く若狭小浜の夏を惜しみけり。