第六百十二段 国後島までは九里
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年八月十九日の
刈谷市文化協会の短歌部会の
月例歌会に臨み
北海道は根室へと行き
納沙布岬の灯台の下に佇み
北方領土を見遣りての
歌を事前に提出し臨みけり。
提出せし歌は
海峡を 隔て見ゆるは 国後島
九里あまりが 何ゆゑ航けぬ
にて高得点を狙ひけり。
しかれども参加者より多くの賛同を得られず
悔しき思ひを抱き帰途に就きけり。
歌の心(内容)、更に飛躍し
島へと渡航し ロシアと返還交渉をせむと
願ひ持ちけり。
されどよくよく考へたれば
ロシア語は不得手にて諦めけり。