新編・伊勢物語 第六百十一段 姉への挽歌 其の参 星原二郎第六百十一段 姉への挽歌 其の参 逝きてより 七日(なぬか)七夜(ななよ)を 営みて 四十九日と はやも迎ふる 戒名に「静月玉練 大姉」と たまはる姉を 認め難くをり なきがらと なり果てたれど 戒名を たまはりたれど うつつと思へず 七夕の 夜に逝きたる 姉なれば 忌日(きにち)忘れず 参りにゆかなむ 陶芸の 技にたけたる 姉にして 焼きたる瓶に 花を手向けぬ と、詠み 心して瞑目礼拝す。 合掌