新編・伊勢物語 第五百九十段 蕎麦に対する誉め言葉 星原二郎第五百九十段 蕎麦に対する誉め言葉 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年七月の或る日 知立の蕎麦店「元禄」へ昼餐と行きけり。 行きて笊蕎麦の「元禄盛り」を所望し 歌を 「また来む」が わが最上の 誉め言葉 蕎麦「元禄」に 此度(こたび)も申す と詠み 「また来む」に付け加へ 「御馳走様」の古き言葉使ひの「ちそうであった」を 若き女店員に伝へ店を去(い)にけり。